オズボーンとコモドールの戦略 3
ただしTIとは違って、彼は自分の計画を効果的に実行しました。
計算機戦争のベテランだったトラミールは、かつてTIの厳しい価格設定が1970年代初めに彼を破産寸前に追込み、それまでも繰返し味わったと同じ精神的ショックに苦しめられたことがあります。
計算機用チップ・セットをコモドールに19ドルで売りながら、このテキサスの会社は1枚のチップで動く機械全体を19ドルで売り出していたのです。
外部の投資家アーヴィング・ゴウルドを迎え入れ、また数人の債権者が空手形をつかまされて怒りだすような素早い財務上の小細工をして、トラミールはやっと危機を乗切りました。
・・・この挿話はアウシュヴィッツを出て25年間のうちに世界経済の支配的な地位にまで登ったこの移民の小売商人のめざましい物語に汚点を残し、また恐らく無感覚になった良心にも一つの傷となって残ったでしょう。
〈生き残りの体験者〉を自称する彼は、2年間じっと会社の再出発に備えました。
チップの世界の急速な変化によって2度と痛い目にあうまいと誓って、彼は2つの小さな半導体会社を買収しました。
MOSテクノロジーとフロンティアです。
トラミールが再びTIと、今度はホーム・コンピューターで対決した時、彼にはテクノロジーの最前線で戦う用意ができていました。